あなたは学費として1人当たり年間1,000万以上捻出できますか?

  • 2022.09.08
  • 2022.09.08

1人当たりの学費年間1,000万の『ハロウ安比』

2022年8月、岩手県安比高原に、日本初となる英国式全寮制インターナショナルスクールが開校しました。『ハロウ安比』こと、「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン」。初年度の生徒数は180人からのスタートですが、これから5、6年かけて11歳(小6)〜18歳(高3)までの920名になるとのことです。

イギリスにある「ハロウ」本校は、創立450年を迎える伝統的なパブリッシュスクール。日本の中学・高等学校に相当していて、イギリスの元首相ウィストン・チャーチルらを排出。英国名門9校のひとつに数えられているとのことです。優秀な成績や突出した才能を育てるためだけの教育でなく、生涯役立つ価値観と学び続ける姿勢を身に付けること、国際社会で活躍できる人材を育成するとのことですが。この「英国中高」が良いのかどうなのか?の考察は一度横に置いておいて。僕が注目している点は、学費が、年間849万〜927万という部分です。

  • Year7:849万
  • Year8:849万
  • Year9:882万
  • Year10:882万
  • Year11:882万
  • Year12:927万
  • Year13:927万

7年間累計学費:6,198万++ ゴゴゴゴゴゴ

しかも、この学費に加えて、入学保証金が44万かかりますし。制服、1対1のコーチング、エリートアカデミーなるコース、スキーなどの授業で用いる個人のスポーツ器具、そして、海外への遠征や旅行費用や、日本国内の帰省などにまつわる交通費は一切含まれていません。つまり、余裕で1年間で1人あたり1,000万以上は見ておく必要があるわけなのです。

この超高額授業料を出し続けられる両親たちがどのような家族なのか?僕は個人的に、そちらの方が、気になりました。年間1人当たり1,000万の学費を捻出し続けるためには、年収がどれくらいあれば、実現可能なのでしょうか?シミュレーションしてみたいと思います。

学費年間1,000万の年収シミュレーション

『ハロウ安比』に通学するためには1人当たりの学費、年間1,000万以上が必須。日本の大企業の部長の平均給与年収1,000万の場合は?手取りがたったの720万しかありませんので。そもそも、年間1,000万以上の学費を捻出できません。就労人口の0.4%、高収入の目安である年収2,000万の場合は?手取り1,290万で、ギリギリ学費が払えますが、1人通わせるだけで、残り290万で生活することになってしまいますので厳しいですね。

年収3,000万で手取り約1,770万。この水準まで到達すれば、学費で1,000万支払った後も、770万残りますので、子どもを通わせながらもまともな暮らしができるかもしれません。つまり、年収3,000万以上が、年間学費1,000万かかるこの学校に通学し得る最低ボーダーラインとなると思われます。しかし、年収3,000万というものは、上場企業や有名外資系企業の社長・役員レベルにならないともらえないお給料ということになります。

そして、仮に兄弟二人を同時に通学させる場合は。年収4,000万でも、手取り約2,200万なので、学費を支払った後、200万しか残らないので厳しい。年収5,000万になってようやく手取り約2,700万なので。子どもたち2人を通学させるために、毎年学費2,000万支払った後、700万で生活をする形が、ボーダーラインになると思います。この学校に兄弟で通わせることができる家族は、年収5,000万以上あるということが推測できます。

年収3,000万〜5,000万以上の両親を持つ子どもたちが通学できるインターナショナルスクール。一体どういう家族が集まるのか?僕は個人的に、とても興味があります。実際に、8月末の開校に合わせて、180人がすぐに埋まってしまっているので。世の中すごい方々が、沢山いるのだな・・・と改めて驚かされてしまいますね。

両親の経済状況と学歴格差

日本の中長期の課題として。少子高齢化が進み急速に縮小するであろう、日本国内マーケットから脱却。大企業各社共に、海外展開を視野にいれています。そんな中、ワールドワイドで活躍し得る人材育成が必要とされていることもあり。政策と密接に関わる形で、2022年は『ハロウ安比』を皮切りに、海外の有名インターナショナルスクール開校ラッシュとのことです。

さらに、2022年7月29日、岸田総理「海外の一流大学の誘致を含めたスタートアップキャンパスの創設」として。日本の受験では発掘できない才能を発掘することを目的として。東大よりも遥かに高レベルと言われている、世界のトップクラスの大学アメリカのアイビーのスタンフォード大学や、マサチューセッツ工科大学などを日本に誘致する形で。世界から、研究者・学生を集める計画があることを発表されていました。

この手の、海外の名門校の学費は、日本の従来のインターナショナルスクールとは異なり。学費が年間1,000万級(学校外活動費用含む)かかるものばかりになってくる事が予測されます。こういう流れの中で。日本の公立学校の学費しか捻出できない平々凡々な方々と。年間1,000万の学費を捻出できる富裕層と。次世代の教育格差は、家計の経済状況によって大きな開きが発生して行くことが容易に想定できると思います。

そんな中で、「我が家はお金が無いから公立学校で我慢してね!」公立学校しか、通学させられない家計の経済状況に甘んじ続けるのか?私立学校もインターナショナルスクールも。こうした海外の高学費なインターナショナルスクールも、選択でき得る家計の経済状況の中で、子どもたちそれぞれにとってのベストを選択して行くのか?通学する学校の、「選択肢」が持てるのか?持てないのか?両親の頑張りは、子どもたちのミライを大きく左右させてしまうはずです。

子どもたちのミライに「投資」をするために・・・

「お金持ちになりたい!」漠然と妄想にふけっているだけでは、いつまで経っても、何も変わらないと思います。そんな中、子どもたちがいる、孫たちがいる。こうした「インターナショナルスクール」などの情報を考慮しながら、子どもたちのミライの「選択肢」を広げるために。いつまでに「お金持ちになりたい!」というようなものがあると。より明確かつ具体的な目標として定めることができると思います。

「お金持ちになりたい!」というのは、何もタワマンに住んで、パーティーを開いて、どんちゃん騒ぎをする・・・ということを実現するなど「散財系」の発想だけではなく。家族がいらっしゃる場合であれば、こうした、子どもたちや孫たちへの教育を通した「投資」をし続けることは。家族としての「成功=シアワセ」に直結する素晴らしいモチベーションになると思います。

実際に、ありとあらゆる「投資案件」の利回りと比べても。適切な考え方に基づく子どもたちへの「投資」は、「最高のリターン」をもたらすということは、数字を元にして計算しても算出されるものでもあります。例えば、自分が天に召される前に、子どもたちに「1億」の現金・資産を相続しても、「相続税」として沢山持っていかれてしまいますし。楽して大金手に入れてしまった子どもたちがバカになる恐れの方が高まります。

しかし、「学費」として適切に「1億」投資できた場合、子どもたちが将来、高年収を獲得できる状態になれるのなら。僅かな期間で回収できてしまうことになります。子どもたちの「生涯年収」として換算すると、そのリターンはものすごいものになるわけです。こうした教育への投資は、子どもたちが学生時代に、自分たちの実力で捻出でき得るものではありません。

子どもたちの両親だけが、捻出でき得るものなので、全ては両親次第です。両親の家計の経済状況がネックで、子どもたちが「選択肢」の無い不利な状況に陥るのか?子どもたちが「選択肢」のある有利な状況で闘えるのか?全ては両親の今の頑張りに委ねられる部分でもありますので。子どもたちのために・・・孫たちのために・・・残された限りある年月をフルに活用するかたちで、「お金持ちになる」ことを、真剣に目指してみてはいかがでしょうか?