典型的に失敗する「お受験戦争」に参戦した家族チームの例

  • 2021.12.08
  • 2021.12.08

東証一部上場企業の大手商社に勤務している夫の智則は、才能を武器に、仕事に貪欲に取り組み。東大・早慶などの一流大学出身ではないけれども、会社の中では、上司からも部下からも一目を置かれる存在。40代で既に年収2,000万を稼ぎ出している。

かつて同社に勤務していた明美は若手の中でも職場内の女性から人気だった智則を勝ち取り。結婚して子どもを授かったと同時に、「子育てに専念したらどう?」姑からのすすめもあり、同社を退社して、以降は専業主婦になった。両方の両親からの頭金サポートもあり、豊洲のタワマンを新築で購入。

車はトヨタのヴェルファイア。今の生活は自分の全て自分の努力で得たものであると自負している。そんな中で、「昨年、◯◯部の山田の子どもが小学校受験して「幼稚舎※」に合格したらしい・・・うちも、はじめた方が良いのでは?」※幼稚舎=慶応幼稚舎智則の一言がキッカケとなり始まった新たな挑戦。

はじめて訪れた幼児教室、緊張しながら足を踏み入れる。子どもたちはホワイトボードに向かって並べられた机に案内され。保護者は別室の「お受験説明会」に参加。父親の参加は2名だけで、他は母親ばかりだった。一見するとシンプルな服装に見えて、持つ鞄を見るとエルメスなど高級ブランドばかり。

場違いなところに来てしまったのでは?不安がよぎるとほぼ同時に、控えめながらも基本を抑えたメイクアップをした年配の女性が説明を始めた。「皆さんの新年長クラスを担当することになる南です。」受験までのスケジュール、家庭学習の行い方。ハキハキとした口調で、説明がなされて行く。

メモを取りながらも、「本当にこんな沢山のことできるのかしら?」そう思った矢先、心を見透かされたように、南先生が明美に質問をした。「そちらのお母様、小学校受験で必要なことは何だと思いますか?」

「お教室に真面目に 通うことでしょうか?」「もしも教室に預ければ 大丈夫と思っていたら、必ず落ちます。 普通に受験したら、普通に失敗する。それが小学校受験です」洗礼を受けた気がした。

南先生のお子様は、「幼稚舎」に合格後、順当に進級して慶応大学に進学されている。かつての「小学校受験」成功者ということになる。はじめは疑心暗鬼だった明美であるが、南先生のお話を聴いている内に、この先生についていけば、「幼稚舎合格」も夢ではないのでは?と思い始めていた。

自宅に帰った明美は、早速、南先生から教わった通りに智則にお願いをした。「小学校受験には父親の協力も必要なんだって。毎週日曜日に、公園で◯◯◯と◯◯◯◯を見てあげて欲しいの。」けれども、「俺は仕事が忙しくてそんな時間無いのオマエも知ってるだろう?」「小学校受験は、もともとあなたが言い出したことでしょう?」

言い出した本人が、小学校受験というものがどういうものなのか?全く理解していないどころか、協力する気が見られない。そもそも、スタート時期は既に遅いのに。。。「「幼稚舎」に入った 山田のところは 全部奥さんが1人でやってたんだって。幼児教室だってこんなに高い授業料払っているのに、教室で全部やってもらえば良いでしょう。たかだか小学校受験に夫の協力が必要なんて聴いたことが無いぞ!」

口が立つ智則に、口論では絶対に勝てないのは知っている。激しくいらだちを感じたがその場はおとなしく引き下がった。次の日のお昼時。「小学校受験くらい、一人でやってみろよ!」クマさんの頑張れスタンプと共にLINEにチャットが入った・・・。

対外的には、理想の家族と見られ、同じマンションのママ友たちからも羨まれることが多い智則と明美夫婦。確かに智則も、年収も同年代ではかなり高い水準で頑張ってくれている。明美も、そんな智則を尊敬していた。けれども「受験戦争」に足を踏み入れた今。明美ははじめて違和感を覚え始めた。

この夫婦はスタート地点に立てていません

いかがでしょうか?子どもが幼稚園生の頃スタートで、小学校受験を始める方々の裏側を小説風に描いてみました。子どもの教育早期スタート組とも言える「小学校受験組」。世間一般的な通常の一流どころの「小学校受験」の流れでは、小学校受験に特化した幼児教室に加えて。個人塾と行動観察専門の塾にかけもちで通わせることがあります。

さらには、運動系と美術系の習い事もこれに加わります。札束で殴り合うような重課金ゲーム。もともと実家がお金持ちでも無い限り、年収1,000万でも、参加するのは大変。旦那さんの年収が2,000万位でようやくまともに参加できる闘いであるとも言われています。

この智則と明美夫婦は年収という部分では、まさにその最低ラインを突破できていますが。しかしこの夫婦の場合、マスターヒロさん直伝の「0歳〜18歳の英才教育論」基準で見ると。実は「スタート地点」にすら立てていない状態なのです。年収が高くて都内のタワマンに住んでいる・・・これだけでは、パーツが全く足りないのです。

「子どもの教育」に失敗する典型的な夫婦の例とも言えます。子どもの才覚とか能力とかは、スタート地点では一切問いません。100%全て、まずは両親の「考え方」だけの部分です。まず、ご自身が子どもの教育に取り組む前に。この智則と明美夫婦にはどんな部分が足りないのか?冒頭の文章を読んだだけで明確に根拠とともに答えられない状態では。自分自身のこともできるわけではありません。

他の家族の欠点は見えるけれども、自分たちが実際にやって見ようとすると難しいのに。そもそも、何が間違っているのか?全く分からない状態では。お話にもなりません。子どもたちが22歳を迎えた時に、自らの意思と力で、修羅を目指せるかどうか?

ここを目的基準とした場合、子どもの教育で大切なことは。小学校受験をすれば・・・中学校受験をすれば・・・私立に通わせれば・・・インターに通わせれば・・・もっと言えば、東大・早慶・GMARCHに合格できれば・・・と言ったようなことが重要なわけではありません。

子どもの教育においてそれらは全て枝葉のお話であり。根幹では無いのです。また、子どもたちを「一流どころ」に合格させたいからと。どこの塾に通えばよいか?何の習い事に通えば良いのか?部活は何を始めればよいのか?その部分から入ってしまうと、大変なことになってしまいます。

こうして世の中の大多数の家族チームは。子どもの教育の「要」部分が欠落したまま。小学校受験、中学校受験、高校受験、大学受験・・・とイベントごとに参加はしてみるたとしても。修羅とは逆ベクトルの方向に向かっていくのです。

智則「オレは会社でこんな活躍できてるのに、オマエ(子ども)はなんて情けないやつなんだ!」

家族チームがチームとしてまとまるどころか。途中で過程が崩壊。途中で子どもたちが、おかしい状態になるか?なんと、離婚にまで発展してしまう場合も多いのです。

かつての僕も本当にやばい状態でした

実際、かつての僕も、まさに智則と似たような「考え方」をしていたので。今考えれば、本当にやばい状態でした。年収だけは、かなり早期の内に比較的高い状態にありましたが。「子どもの教育」という部分では全く分かっていない状態。いわば、「要」の全てをはずしていたとも言えます。

そんな中で、メンターである、マスターヒロさんから。「0歳〜18歳の 子どもの英才教育論」を伝授頂いたことがキッカケで。自分がいかに、ひどい考え方をしていたのかを認識することができて。長女15歳、次女13歳・・・かなり遅いスタートではありましたが。

「過去を振り返って 後悔しても何もはじまらないエネルギーは全てミライに向けて!」気持ちを入れ替えて、ゼロからやり直す気構えで新たな取り組みを開始したのです。両親である限り、子どもたちに不幸になってもらいたいと思う方は、誰一人としていないと僕は信じています。

本来は、子どもたちの「成功=シアワセ」のために、子どもの教育に取り組むはずなのに。これではまさに本末転倒です。とてもとても悲しいことだと思います。世の中全ての家族チームに救いの手を差し伸べることは到底できませんが。せめて仲間たちの家族チームの中では、こういう悲劇に陥らないでほしい・・・心の奥底からそう思うわけなのです。

子どもの教育には、修羅を目的基準にするのなら、子どもの生まれながらの才覚や能力は関係ありません。全て後発的な部分のみで成長して高めることで「必要パーツ」を集められます。けれどもその際、両親の「考え方」が全て!になるわけです。この部分に思うところがある場合は、僕たちと肩を並べる形で、新たに取り組みを開始してもらいたい。そう思うのです。

追伸・・・
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