子どもの教育はいくら学費に「課金」すれば最強修羅になれるのか?

  • 2022.05.31
  • 2022.05.31

「子どもたちの教育」の中で、絶対に避けて通れないのが学費問題です。一体いくら学費に「課金」すれば、子どもたちが最強修羅になれるのでしょうか?

義務教育の最低金額は9年間累計約120万

本来、日本の社会に生きる市民として、職業生活、市民生活、文化生活など、充実して過ごせるような「人間力」、「生きる力」を育むべく、国や政府、両親など保護者たちが子どもたちに普通教育を受けさせる義務教育が憲法第26条第2項で定められています。子どもたちが満6歳に達した日の翌日以降における最初の学年の初めから、満12歳に達した日の属する学年の終わりまでの小学校6年間。さらに、子どもたちが小学校を終了した日の翌日以降における最初の学年の初めから、満15歳に達した日の属する学年の終わりまでの、中学校3年間。義務教育の対象期間合計9年間を全うすればよいことになります。両親が最低限の義務を全うするだけで良いと言うのであれば。幼稚園は行かずに自宅で過ごさせる。

公立小学校(6年間)
・学校教育費:約6.3万円(年間)
・学校給食費:約4.4万円(年間)
合計10.7万円 x 6年間 = 6年間合計64.2万円

公立中学校
・学校教育費:約13.9万円(年間)
・学校給食費:約4.3万円(年間)
合計18.2万円 x 3年間 = 3年間合計54.6万円

9年間合計:118.8万円
※文部科学省・平成30年度子供の学習費調査より

+アルファの費用がかかる、補助学習などは一切行わない。体験活動、地域活動、芸術活動、スポーツ・レクリエーション活動。教養を高めるための習い事なども一切行わない。近所の公園・森林・河川など、お金が一円もかからない場所での遊びだけ遂行。

学校外活動費を限りなくゼロに留めたまま、9年間の最低限の義務だけを全うした場合。9年間で約120万、年間平均13万ほどだけで、すんでしまいます。この場合、子どもたちは、義務教育期間が終了したら、直ちに働きに出てもらうことになります。「あれ、子どもの教育ってそんなにお金がかかりませんね。」・・・ということになるはずです。

小学校の学校教育費に14.3倍の格差

もしも、子どもを持つ両親全員が、口裏合わせるなりして。ムダにお金と時間と労力がかかるのでお互いに、競争は絶対に辞めましょうね!法律に基づき、義務教育だけを全うしましょうね!という談合レース的になれば。子どもの教育費用は、たったの累計120万しかかからないことになります。オンラインゲームに例えると、プレイヤーが100%全員無課金で臨む的な状況でしょうか?

実際に僕が、公立小中学校に通学していた時代には、学校外活動費どころか、学費も給食費も払わない両親を持つ子どもたちが、学年で数名ほどはいらっしゃいました。僕たちの時代、高校進学率も55%程度としかありませんでした。(昭和61年は高校進学率50%割り込む)僕たちの上の方々の世代では、子どもの教育に無課金で取組んでいた家庭の割合も多かったのです。

しかし、現代社会ではそんな状況ではありません。いまだに、義務として設定された最低ルールは小中学校のままなはずですが。今の時代、幼稚園には通学させます。中学卒業後も、高校や専門学校への進学率は、過去最高の83.8%。大学・短期大学進学率も過去最高の58.9%。大学院への進学率は11.8%。そして、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、大学院・・・全てにおいて、学費の安価な国公立と、学費が高額な私立の選択肢があります。

さらに、学費以上にお金がかけられるのが、学校外活動費。「我が子には絶対にシアワセになってもらいたい!そのためには、火の中水の中!何でもやります!」という両親もドンドン増加しているので。重課金者たちは、青天井で教育費用に大枚を投入して来るのが現状です。分かりやすい格差が発生しているのが、小学校6年間です。微課金者と言える、公立学校に通わせる方々と。重課金者と言える私立学校に通わせる方々。学校教育費は、公立と私立とでは平均して14.3倍も格差があります。給食費はそれほど公立・私立と格差は発生していませんが。学校外活動費用では、平均して3倍も格差があります。

現代:公立786万〜私立2,376万〜青天井

子どもの教育に存在するルールは「義務教育」に基づいた、最低限の9年間約120万円分の学校教育費・給食費だけは最低限保護者が全うしましょうね!というものしか存在しないはずなのですが。現実に起こっていることとしては。その最低限のルール水準に留めている家族チームはごくごく稀であり。どれだけ費やすか?費やせるのか?上限部分にはルールが存在しないのを良いことに。「我が子だけには・・・」と、血眼になって課金を惜しまない。世の中で最も壮絶な、重課金競争になってしまっているのが現状です。保護者が、1年間・子供一人当たりの学校教育費及び、学校外活動のために支出した経費の総額を見ると。

『幼稚園』
(公私比率:2.4倍)
公立幼稚園
学習費総額:22万3,647円
-学校教育費:120,738円
-学校給食費:19,014円
-学校外活動費:83,895円
3年間累計:67万0,941円
私立幼稚園
学習費総額:52万7,916円
-学校教育費:33万1,378円
-学校給食費:3万0,880円
-学校外活動費:16万5,658円
3年間累計:153万3,748円

『小学校』
(公私比率:5.0倍)
公立小学校
学習費総額:32万1,281円
-学校教育費:6万3,102円
-学校給食費:4万3,728円
-学校外活動費:21万4,451円
6年間累計:192万7,686円
私立小学校
学習費総額:159万8,691円
-学校教育費:90万4,164円
-学校給食費:4万7,638円
-学校外活動費:64万6,889円
6年間累計:959万2,146円

『中学校』
(公私比率:2.9倍)
公立中学校
学習費総額:48万8,397円
-学校教育費:13万8,961円
-学校給食費:4万2,945円
-学校外活動費:30万6,491円
3年間累計:146万5,191円
私立中学校
学習費総額:140万6,433円
-学校教育費:107万1,438円
-学校給食費:3,731円
-学校外活動費:33万1,264円
3年間累計:421万9,299円

『高等学校』
(公私比率:2.1倍)
公立学校
学習費総額:45万7,380円
-学校教育費:280,487円
-学校給食費:–円
-学校外活動費:176,893円
3年間累計:137万2,140円
私立学校 
学習費総額:96万9,911円
-学校教育費:719,051円
-学校給食費:–円
-学校外活動費:250,860円
3年間累計:290万9,733円
※文部科学省平成30年度学校基本統計参照

そして・・・大卒の方々にとって「最終学歴」となる「大学」は・・・

『大学』4年間総額
国立大学:242万5,200円
私立文系:407万9,015円
私立理系:551万1,961円
私立医学部:2,396万1,844円

以上が、文部科学省調べの国公立・私立進学それぞれに係る、学費 = 学校教育費+学校給食費+学校外活動費の内訳これをベースに、幼稚園〜大学までの19年間の学費を算出してみると・・・

『全国公立パターン』
全て国公立のみに進学した場合の合計は、
合計:786万1,158円
『全私立パターン』
全て私立のみに進学した場合の合計は・・・
合計:2,376万6,887円
※大学は「私立理系」ベース
「公私比:3倍」

義務教育の最低水準のみ全うした場合は、たったの120万程度で抑えられるはずの子どもの教育費が、実際には、皆さん約786万〜2,376万程度の課金を普通にしていることになります。ここをは重要なので、強調しますが、これらの金額は「特別」ではなく、統計上の平均とも言える「普通」です。実際には、「我が子のために・・・」青天井で課金して来られる重課金家族もいらっしゃるわけです。

例えば、これらの統計には、年間300万〜400万と学費が更に高い、「インターナショナルスクール」などは一切入っていませんし。大学で私大医学部に進学するとポンと追加で授業料だけでも2,000万以上は乗っかってきます。塾・予備校なども、医学部専門の予備校ともなれば、年間800万、900万かかるのもその世界では普通なのです。お金をかけようと思えばいくらでも課金でき得る世界です。

重課金すれば最強になれるわけではない

「オンラインゲーム」であれば、「重課金」をすれば、単純に強くなれます。ゲームの中で、最強になりたい!と思えば。ゲームによって、重課金者のレベルは異なりますが、単純に、数千万〜億のレベルで重課金をするだけでどんな敵でも無双レベルで倒しまくれる、最強のプレイヤーになれるのです。けれども、ここが子どもの教育の難しいところでありますが。子どもの教育費に、単純に数千万〜億単位の重課金をしたからと言って。どんなボスキャラでも無双レベルで倒せるような最強修羅になれるとは限らないのです。

例えば、幼稚園〜大学まで1億以上レベルの重課金して、私立医大を卒業したとしても。必ず社会で、修羅として活躍できるようになれるか?といえばそんなこともありません。普通課金者が重課金者を、逆転してしまうケースも容易に発生しているのが子どもの教育の世界です。その証拠に、両親が大金持ちだけど、子どもたちがボロボロ・・・というケースが世の中多数見られます。

重課金もでき得る状態は、選択肢が広がるという意味では有利になるかもしれませんが。その選択や、取り組み方を間違えてしまうと、重課金をしたにも関わらず、社会では全く活躍できない状態になってしまった・・・。ということも、容易に発生してしまうのです。幼稚園〜大学に至るまで、どんな学校に通うのか?どんな学校外活動に取り組むのか?選択肢は無限にあるし。両親と子どもたちによっても、ベストパターンが全く異なって来てしまうので。画一的なパターンは、全く意味をなさないわけです。

両親として、いくらの課金可能額を武器に、どのように子どもの教育に取り組むのか?世の中で最も難易度が高いのが、子どもの教育と言っても過言ではありませんが。「親子ワンチーム」で、目標を成し遂げたときの達成感や喜びも、最も大きいのが子どもの教育とも言えます。さて、こうした中で、あなたはどんな根拠に、どんな目標を立て、いくらの教育費用課金可能額を武器に、子どもの教育に取り組むでしょうか?

追伸・・・
1日3分LINE@「ワンチーム」を通して、両親であるご自身が、「子どもの教育」について学んで頂くことを、推奨致します。『LINE@コミュニティ・ワンチーム』→ https://p.kitasociety.com/line