日本電産の永守重信氏の現場復帰に関してクリティカルな分析

  • 2022.04.23
  • 2022.04.23

日本がの名経営者「三巨頭」の一人、日本電産の永守重信氏(77歳)が2022年4月21日付けで再び最高経営責任者(CEO)に就任すると発表がありましたね。「永守会長による経営指導体制のもと、スピード感のある経営を取り戻す」と。やはりこの規模の会社組織になると、後継者への継承が難しいのでしょうか?とは言え、ご自身がご高齢ながら、後継者の目処が立っていないのに、M&Aを繰り返して会社をここまで大きくしてしまったのも。創業者であり、最高経営責任者(CEO)である、永守重信氏の自己責任ともクリティカルな視点では分析できます。会社規模はただただ大きくすれば良いというわけではない。狙って適正サイズに留めるということの重要性もよく分かります。

日本経済界「三巨頭」の一人永守重信氏

アメリカの経済誌「フォーブス」が2021年発表したランキングに基づくと、永守重信氏は、資産総額9,920億円日本人で5位。世界で490位。大富豪です。6人兄弟の末っ子として生まれましたが、中学2年の時にお父様が他界され、年齢の離れた兄夫婦に育てられたとのこと。家は貧乏で、母親からも中学を卒業したら働けと言われていましたが、学校での成績も良かったこともあり、工業高校に通えることになったようです。その後、学費が無くても通える職業訓練大学に進学されました。

日本電産は、モーター製造からはじまった会社ですが。永守重信氏とモーターとの出会いは小学校4年の理科の実験。コイルに電流を流す実験があり、クラスで一番速くモーターを回すことができて先生に褒められたことがキッカケでモーターに興味を持ったとのことです。永守重信氏が影響を受けたお母様は、「寝顔を見たことが無いほど、必死に働いていた」とのこと。シングルマザーで貧乏で苦しんでいたけれども、家族の誰よりも早く起きて、誰よりも遅く寝たほど努力して働き続けたところ。近隣の田畑を買い、地元で有数の地主に成り上がった努力の人だったそうです。

28歳の時、起業に猛反対したのもお母様でしたが、食い下がる永守重信氏に「会社を起こすなら、人の倍働けるなら、会社を作ってもいい」ということで許しを得たとのこと。「1日24時間は誰にでも平等、 時間を上手く使って人の倍働けば必ずライバルには勝てる!」とお母様が教えてくれたと語っています。優秀な技術を持つけれども経営不振に陥った企業を次々に買収。子会社化して再建させることで会社を大きくしてきました。

過去に60件以上のM&A(合併と買収)を繰り返して来られて今に至ります。創業時に「同族会社にしない」ということを経営理念のひとつに掲げているので、2人のご子息様たちは、日本電産の経営に携わっておらず。それぞれ、長男さんが総合家庭用品メーカーを。次男さんがヘルスケア事業の会社を起業させて経営者の道を歩まれています。

日本経済界「三巨頭」

  • 孫正義・ソフトバンク(64歳):資産額4兆8,920円
  • 柳井正・ファーストリテイリング(73歳):資産額4兆6,270円

孫正義氏、柳井正氏とも交友が深いようで、一時期はソフトバンクの社外取締役にも就任されていましたね。どん底貧乏から這い上がり、2021年度連結業績売上1兆9,182億・経常利益1,715億の一代で「小型モーター世界一」の会社に育て上げる。紛れもなく、日本人が大好きなノリの大成功者とも言えます。

偉大な成功者が苦悩する後継者育成

しかし、そんな日本の誇る偉大な成功者とも言える永守重信氏ですが。日本電産の後継者育成には、苦悩されているようです。2018年に、日産出身の吉本浩之氏が社長に就任しましたが、業績悪化に伴い退任されました。同じく日産出身の関潤氏が2020年に入社、2021年にCEOに就任されました。

永守重信氏「やり方を完璧に学ぶのには普通は10年かかるが関潤氏なら3年位でできる」と期待を語られていましたが。原材料の高騰や、ロシアのウクライナ侵攻による国際的なサプライチェーンの混乱などが発生したことにより。22年3月期の連結業績は過去最高になったものの、営業利益と純利益の目標は未達。21年4月時点で1万4,000円代だった株価が、事業環境の悪化も相まり、現在は9,000円を割っています。

そんな中、再び永守重信氏(77歳)が、最高経営責任者(CEO)に返り咲いたことになります。77歳になってまで、現役復帰って、すごいバイタリティですね。。しかし、自分が創業者・経営者として、船長としては偉大な功績を出した、日本の「三大巨頭」の御方々ですが。後継者問題には、解決策を見いだされていないようですね。

ソフトバンクグループの孫正義氏も60歳での引退を宣言し、後継者を育成する組織を設立。グーグル副社長だったニケシュ・アローラ氏を後継含みで迎えましたが失敗。64歳になる現在も前線で意欲的な経営を続けられています。ファーストリテイリングの柳井正氏も、かつては「65歳で引退」を明言され、2002年に玉塚元一氏に社長の座を譲りましたが。しかし2005年に社長に復帰して、73歳になる今も、経営の第一線に立ち続けています。そして今回、日本電産の永守重信氏も再び。これによって、

日本の経済界の「三巨頭」

  • 孫正義(64歳)
  • 柳井正(73歳)
  • 永守重信(77歳)

御三方共に、現役に返り咲いたことになります。

永守重信「やり方を完璧に学ぶのには普通は10年かかるが関潤氏なら3年位でできる」ムムム・・・。普通は10年・・・。でも、関潤氏なら3年・・・。しかし、結果1年たたず。。せめておっしゃる所の「3年〜10年」は待てなかったのでしょうか。。そもそも日本電産の取締役7人の役員報酬の合計は3億9,600万円。7で割ると、1人あたり、5,600万ほど。。関潤氏はCEOということで、高いでしょうから年収7,000万〜8,000万ほどでしょうか。

上場企業の場合、役員報酬が1億円超える場合、必ず金額が公表されますが。有価証券報告書を確認したところ、「連結報酬等の総額が1億円以上である者が 存在しないため、記載しておりません。 」と書かれていますので。1億未満なことは確かです。

孔明「えええ!?なにそれ、激安っ!」と正直思ってしまいました。永守重信氏は、資産総額9,920億円。そんな偉大な御方の代わりの「人財」をCEOはじめ、役員に据えるわけですよね。それが、CEO含め役員7人合算しても、たったの年俸4億円未満。つまり、関潤氏は、僕たち小規模零細な、「労働経営者」的な個人プレイヤーよりも低い年収で、「1兆円の御方」の代わりを命じられていたわけです。

給与は意外と公平に人の能力を判断しています。年収1,000万には、年収1,000万の、年収1億には年収1億の、それなりの理由があります。「人財」的な価値を給与所得で換算して見ると、ネットパチパチ系レベルの「プチ成功者?」たちとそれほど変わらないわけです。むしろ、自営を経験していない部分では、微妙なのでは無いでしょうか?つまり、凡人に毛が生えたレベルの、「プチ成功者」系。。

例えば、絶対にそんなことは起こりえませんが、仮に僕がこの程度のお給料で、従業員12万人、年商1兆を超える企業の、CEOをやってくれ・・・しかも、永守「休みたいなら辞めれば良い」・・・というブラックな香りが漂う企業で毎日10時間以上の拘束時間の元身を粉にして働けと。。まずは、僕ごときの水準の人材でも、まず心は動かないと思います。だから、僕以上の水準の「人財」の方々で、この条件で手を挙げる人は誰もいないのではないでしょうか?

そんな中、「はい。その年収で、ぜひCEOやらせて下さい!」と挑戦しようとするレベルの人材を求めている・・・という部分が、そもそも論でとてもおかしなことだと思います。永守重信氏ご自身が、自分の価値、会社の価値、従業員12万人の頂点に君臨するCEOという職位に立ち得る「人財」の価値、クリティカルな視点から、ご理解頂けていないのでは無いでしょうか?

そもそも論で、たったの1億未満という激安な投資(お給料)で、あわよくば会社経営上手くやってくれて、大儲けしてくれたらいいな!というのは、新橋駅前で「宝くじ」を買い求める、方々と何も変わらないようなことを考え、実行しているようにしか思えないのですが・・・。というか、そもそも論で、永守重信氏の代わりが務まるような才能を持った「人財」ならば。たかだか、1億にも満たない自分にとっては僅かな年俸で10時間以上拘束されて、「休むか、辞めるか?」と馬車馬のように働かされるなどという意味のわからない判断を絶対にしません。

そんな割に合わないことに挑戦するくらいなら、何をどう考えても、自分で起業して、自力で年収1億以上を目指しているはずです。お金の自由だけでなく、時間と場所の自由がありますから。本来御方の代わりを探す場合、「たかだか数十億〜数百億の資産を目指す位なら、私の後継者を目指した方がいい!」御方ご自身の全財産をも継承する位の決意と覚悟が無いと。。どこの誰も、各々が抱いている野心・野望よりも、この御方の船に乗ってついていった方が明らかに割に合うし魅力的である。。と、「自分の道」を諦めてくれないと思います。

そうでなければ、このレベルの人財は、自分でやった方が、1億ごときの年収など簡単に稼ぎ続けることができてしまうのですから・・・。そういうレベルの「人財」にまつわるお話なのですから。それを、たかだか1億未満の年俸でなびくような方々に対して、「3年だの、10年だの」言っている時点で、何をどう分析しても、「夢か何かを ご覧になられているのか?」としか思えないわけです。繰り返しますが、世界中どこを探しても、そんな「人財」は絶対に見つかりませんよ!

だって、そのレベルの「人財」なら、自力で1億未満の年収を稼げるもん!だから、そもそも論で、最初から言っていることと、やっていることがおかしいわけで。後継者育成と事業継承などということは、成し遂げられるわけがないのです。結局、今の規模まで会社を大きくしたのも、他の誰でもなく、ご自身なのですから。自分とともに成長し、自分と共に幕を閉じるのならば、それはそれで良いのかもしれませんが。

はじめから、「後継者育成・継承」などとは、夢を見ない方が賢明かもしれません。また、後継者のいない、船長が77歳の会社を、株式投資家としてどう捉えるか?こういう視点から考えてみても部外者としては良いかもしれません。ちなみに、今回挙げた例のように事業継承に悩む経営者の100%全員、実際は、掲げている目標(ではなく夢?)とは裏腹に、言ってることとやっていることがある意味そのままになっています。後継者の意味と価値を誰も理解していません。

だから実際は、みなさんの現状に、何もおかしなことは一切起きていないのです。ちなみに、僕がこのようにクリティカルに見通せる様になったのも、マスターヒロさん直伝の『成功シンドロームOS』への書き換えを行ったお陰です。ビジネス・経営・投資・継承・・・ありとあらゆる分野で、物事を的確に見通せるようになれます。