「労働者マインド」から「投資家マインド」へのシフト

  • 2023.05.12
  • 2023.05.12

22歳を迎えて学生から卒業、親元を離れて社会を出た後、誰しもが社会人として働くことが求められます。中には、「学生起業」を成し遂げて、イキナリ自営業の社長としての活動からスタートする方もいるかもしれませんが。これは至極レアなケースです。

かつての僕も含めて、大多数は、就職活動を経て、サラリーマンとしてどこかの企業に就職したり。公務員として役所に勤めたり。組織の一員として働きはじめるのが、僕たちが生まれ育った日本において一般的な常識になっています。

でも、僕自身が、「投資家」としての活動が中心になっている今、改めて考えてみると、疑問に思うことがあります。どうしてそれが常識だと思っていたのか?学校を卒業したら、サラリーマンや、公務員になって、「労働者として働きなさい!」というのは、なぜそれが当たり前だと思っていたのでしょうか?

「できるかぎり、ちゃんとした企業に入社して働きたい!」「両親や学校の先生に言われたから」「社会人になってニート的にフラフラしていたら格好悪いから」色々な理由があったと思いますが、社会人になって、具体的にこうしたことを成し遂げたい!という強い気持ちを抱いて社会人になった人たちはほとんどいない状況だと思います。

なんとなく、流れに身を任せていたら、気がつけば社会人になっていたというのが大多数かと。気がつけば、会社の社畜として、無遅刻無欠勤と、一日約10時間を拘束された毎日が始まっていた。上司の指示に従って、一生懸命労働に勤しむ。サボったり、逃げ出したりしては、生活の糧が手に入らないから。そうした毎日を継続することが常識になっている。

「労働者マインド」によって、奴隷のように生きる日々が常識になっていたのです。上司と酒を飲みに行くと、他の上司や同僚の悪口だったり、政府や会社上層部への不平不満だったり。ビールジョッキ片手に、顔を赤らめて語り合うことが当たり前の日常になっていたのです。

「労働者マインド」の人生

「労働者マインド」しか持っていない人たちは。一言でいうと常に受動的です。組織の中でも、「指示待ち人間」に分類されてしまうと思います。上司から具体的な指示を受けないと動けなくなってしまう人たちです。

どれだけ社会人歴を積み上げていったとしても。ある程度の範囲内の安定・安心のお給料を求めて。自分の時間と労力を切り売りする形で、「労働力」として提供し続ける稼ぎ方しかできません。見方を変えると、「経営者」や「投資家」たちに、搾取をされる側の人間です。

お金の稼ぎ方が、「時間x時給」をベースにした収入しか得ることができません。自分が、「労働力」を提供できなくなった時点で、収入が止まってしまいます。その中でもごく一部、かつての僕のように、サラリーマンとして「副業ビジネス」に勤しむ「二足のわらじ」を履いている方々もいますが。これも、自分が「労働力」を提供して収入を得る形である場合、本質的なものは、あまり変わりません。

自分の「労働力」を極限まで切り取って稼ぎ続ける形は。心身の堅牢性が高い若い頃なら成り立つかもしれませんが。年齢が嵩み、老衰に突入してくると、無理が出て来てしまいます。こうした日常は、「労働者マインド」しか持っていない状態だと、「当たり前のこと」として捉え、何も感じなくなってしまいます。

そして、このような考え方からなる働き方と対極にあるのが、「投資家」であり、「投資家」としての新しい人生を歩むために必要不可欠になるのが、「投資家マインド」なのです。「労働者」として生き続ける状態を、完全に捨て去ることは、なかなか難しいにしても。

「投資家マインド」と共に、「投資家」として生きる時間を持った上で、「労働者」としての日常を省みるだけでも、まったく別の世界に足を踏み入れた感覚を認識できるようになるはずです。「投資家」と「労働者」本質的な違いはどんな部分にあるのでしょうか?もう少しだけ、掘り下げて考察していきたいと思います。

「投資家」と「労働者」の違い

本質的な意味での「投資家」とは?資金を会社に投資をして、資本のシェアを持ちます。言い換えると、お金を出して、会社に勤務している労働者たちを働かせて稼ぐ人たちです。事業を創業する「経営者」も近いものがありますが、「経営者」の場合は、自分で資金を投資しながらも、自分が会社の経営に参画して、雇用した「労働者」を働かせながらビジネスを推進しますので、「投資家」とは、立ち位置が異なります。会社に勤務している労働者たちを働かせるという部分では同じです。

「投資家」は、自分以外の第三者の労働力(時間・労力・才能)などを使って稼ぐ立場にあります。この「投資家」にこきをつかわれているのが、「労働者」というわけなのです。「労働者」に求められることは、上司から与えられた指示に対して、文句を言わずにお仕事としてこなし、より、時間と労力を節約しながら、仕事の成果を出すことです。

より少ない時間と労力で、大きな成果を出し続けられる労働者が高く評価されます。年月の経過と共に身につけられるのは、職場内で求められるお仕事遂行能力になるわけです。そうした状態に永続的におかれ続けていると、自分の周りのことしか見えなくなってしまいます。会社からリストラされてしまったり労働力が提供できなくなったりしてしまった瞬間、生活の糧としての収入を失ってしまいますが。その状態に陥ってしまうと、具体的に何をどうしてよいか全く分からなくなってしまいます。

転職の度に、キャリアUPしていける有能な労働者もごくわずか存在しますが。大多数の労働者は、会社を変わる度に、ドンドン収入が下がって行く悪循環に陥ります。「投資家マインド」を持った「投資家」は「労働者」たちとは完全に異なります。

一方で「投資家」は、自分で世の中の問題を見つけ、変えようとする力を持っています。その力を発揮するため、世の中で今起きていることを理解し、広く深く情報を集めることで、本質的な構造面から政治、産業、業界を考察し。その中で、自分はどの方向に向かって何をすれば良いのか?明確な答えとして導き出す力を持っているのです。

「労働者」としての日常も変わる

「労働者」と「投資家」。極めて対局に位置していると思います。「労働者マインド」を持ち、「労働者」として生きることしか知らなかった、かつての僕と同じような方々にとっては。ただ漠然と、今の延長上に生きていても。その先に「投資家」としての道は待ち受けていないことだけは確かです。

自分の「考え方」を根底から変革し得る、そのための「学び」を深めた上で、意識的に変わろうとすることで、ようやくなれるのが「投資家」なのです。ただ単に、「投資家になりたいな・・・」と思っているだけでは、なれないのです。また、「ちょっとだけ予備知識として・・・」多少かじっただけの学び方でも、厳しいです。

「考え方」を変えるってそんな簡単なことではありません。けれども、「投資家になってみせる!」と決意を固めて、真剣に学び始めると。「労働者」としての日常も変化を遂げていきます。今までは「搾取」とも言える形で、会社で労働させられていただけの状態が変わる。例えば、自らの意思で世の中に起きている問題を発見し、会社が持つ様々なリソースを活用して、変革しようと考え行動できるようにもなれます。

サラリーマンとしての働き方の中でも、単に、指示を遂行するだけの状態ではなく、自らの意思で、会社の進むべき方向性を変え得る力を、個人が持つようになれます。世の中の見え方がすべてが変わって行くことで。人間関係という部分でも、会社の中の狭い範囲内のものにとどまることなく。業種業態を超えた、様々な面で広がっていきます。

社内でも横断的に人脈をつくれるようになったり。会社の外にも広がっていったりすることで。今勤務している会社の中でも、最も必要とされる人材の一人になれますし。たとえ自分が勤務している会社が業績不振によって傾いたとしても、いくらでも自分を雇用してくれる会社が出てくるようになります。

独立した後、名刺に印刷されているようなサラリーマンとしての会社の看板、職位などがゼロになったとしても。問題なく、稼げるようになれます。「投資家マインド」と共に「投資家」としての活動をする時間を持つことは。単純に「株で稼げるようになる!」という事以外の、大きな副産物を得られるようになれるのです。

「労働者マインド」で、「労働者」として生き続けた方ほど、真剣に「投資家マインド」を新たにインストールして、「投資家」としての活動時間を意識的に組み込んでいくことを推奨いたします。「投資家マインド」を身につけるための第一歩として、まずは新書『バトンタッチ大作戦』を手に、真剣に読み進めてもらいたいと思います。

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