小学男子「将来なりたい職業1位」サッカー選手を目標にできるのか?
- 2020.04.30
- 2020.04.30
「将来プロスポーツ選手になりたい!」子供を幼い頃から、プロスポーツ選手になることを目標に、準備を始める親御さんも急増している。日本FP協会のアンケート「小学男子の「将来なりたい職業」の2019年度結果に基づくと、
- 1位:サッカー選手・監督など
- 2位:野球選手・監督など
小学生男子の「将来なりたい職業」の1位と2位がサッカー&野球のプロスポーツ選手。「帝王学」マスターヒロさん直伝「0歳?18歳の子供の英才教育」として、「将来プロスポーツ選手」を目指すこととはどのようなことなのか?子供たちの明るいミライのためどう考え、どうサポートして行くべきなのか?クリティカルな視点から考察をさせて頂く。
目次
◯日本のプロサッカー&野球「2019年年俸ベスト3」
2019年度だけでなく、ここ10年間ずっと同じ。サッカーと野球の順位が入れ替わることもあるが、過去10年連続で小学生男子の「将来なりたい職業」のランキング1?3位までに常にサッカー&野球が入っている。確かに日本のサッカー・野球を中心としたプロスポーツ選手の2019年の年俸ベスト3を見ると、
野球:
・ダルビッシュ有(約27億円)
・田中将太(約24億円)
・前田健太(8億8,000万円)
サッカー
・香川真司(約9億円)
・本田圭佑(約8億円)
・長谷部誠(約6億円)
「大好きなスポーツをお仕事にこんなに沢山のお金をもらえるなんて!」つい感嘆の声があがってしまう程の金額的なインパクトがある。とても夢や希望に溢れた億単位の年俸だ。なるほど、小学生たちが、「将来サッカー選手に・・・」「将来野球選手に・・・夢や希望を抱くのが分かる。
その両親たちが、プロ野球選手やプロサッカー選手を目指す子供を応援する気持ちも。僕もかつては約12年間正社員のサラリーマンを続けていたが、両親である僕たちは、大人になった後普通のサラリーマンとして、毎日変わり映えもしない日常。
毎月のお給料をもらいながら子供の教育資金に住宅ローン。自由とは程遠い超現実的な日々を何年も何十年間も送り続ける中。「せめて我が子だけは自由に自分のやりたいことで好きを仕事に・・・」という気持ちになるのは良く分かる。
「成功=シアワセ」の在り方は人それぞれであり、誰がどんな目的・目標・方針で歩んでいくのかは自由である。けれども問題は、スポーツ選手を目指す親子の
大多数に見られる共通点。それは、経済との関連性には目を背けてしまっていることろだ。
◯我が子がプロサッカー選手になれるか早期に分かる
「ヨーロッパで大活躍する日本人サッカー選手」「大リーグで大活躍する日本人野球選手」「世界を舞台に好きを仕事に億単位の年俸をもらう!」しかし、
夢や希望に満ち溢れた憧れの領域から、ふと現実世界に目を向けて冷静になれば、我が子が本当にサッカーや野球の世界でプロスポーツ選手になれるかどうか、早期の段階で、見えてしまっているはず。
子供の内に、サッカーや野球を夢中になってやるのが悪いのではなくて、本当にプロを目指すのか?プロを目指せるのか?プロを目指せるとしても世界一流なのか?日本一流なのか?もしくは、プロは諦めて、趣味としてなのか?
名誉欲を満たすためなのか?なるべく早い段階でクリティカルな視点で見極めておくことが大切。一番最悪なのは、既に子供の頃に、世界一流、日本一流どころか、プロになれる水準にはなれないことが誰の目から見ても明らかなのに。
学校の勉強を完全に放棄して、中学・高校・大学とサッカーや野球をまるで職業のようにやり続けてしまうこと。それは如何なのだろうか?将来の年収や選択肢基準から逆算して考えられていれば、高校・大学時代に、スポーツ以外にやれることできることは沢山ある。
しかし、それら全てに目を背けて、絶対にプロにれないにも関わらず、サッカーや野球だけに夢中になっている状態のまま18歳を迎えてしまう。というのは本当に勿体ないことではないだろうか?
◯プロサッカー界の現実は想像以上に過酷で報われず
「念願叶ってプロサッカー選手になれた!」からといって、香川真司(約9億円)や本田圭佑(約8億円)のような億超えプレイヤーの道が待ち受けているのか?というと現実はそう甘くはない。
確かに、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)1部(J1)の選手の平均年俸は約2,000万円前後ということで、サラリーマンで言えば、一部上場企業の役員並みの年収をもらえることになるが、2部(J2)になると格段に下がり平均年俸は400万。
3部(J3)になると平均値で算出できないほど悲惨な状況になっていく。3部では、プロ契約でも年俸の下限というものはなく、ほとんどの選手がアルバイトをしながらサッカーをプレイをしている状態だ。当然ながら、1部、2部、3部と、ピラミッド型の構造になっており、1部の選手というのは、膨大な数いるプロサッカー選手の内ほんの一握りの頂点に過ぎない。
サッカー業界の中でその年に日本のトップ300位に入れなければ、年俸1,000万に届かない。日本のトップ500位に入れても、年俸400万。ここでようやく日本全体の平均年収と同じ金額である。
この難易度を見てみると、東大も毎年4,000人は合格できるわけだし、(全受験生の200分の1)東大を卒業できれば、東大卒業生の平均年収730万円とかなり高水準の経済保証もされる。
日本のサッカー人口480万人の中でベスト300に入れる確率は16,000人に1人の確率。これだけの努力をするのであれば毎年受験生の200人に1人=東大生なる方が
圧倒的に難易度は低い。
◯プロサッカー選手の平均選手寿命は26歳
日本のプロサッカー選手1部?3部まで全員に共通して言えること。「Jリーグの平均引退年齢」は26歳
※主なスポーツ選手の平均引退年齢
サッカー:26歳
プロ野球:29歳
水泳:21歳
ラグビー:29歳
ボクシング:30歳
大相撲:32歳
競馬騎手:38歳
プロレス:42歳
周りの大学を卒業して企業に就職した同級生たちが、「社会人に慣れてきたから、これから本腰いれて出世を狙っていくか!」という時に、戦力外通告&引退を突きつけらてしまう。その際、他の同級生たちのように、大学の卒業資格などがあれば一般企業に就職という道も残されているかもしれないが。
仮に高卒などでプロサッカーの道に入ってしまった場合、26歳以降に残された道は、ずっとアルバイト・パートタイムのお仕事だけというさらに厳しい現実を突きつけられてしまう。「背中に実績」の無い選手は監督やコーチにもなれないから。
成功=シアワセの形は人それぞれ誰が「プロスポーツ選手」を目標として目指しても自由なのだがこの現実を無視して「将来プロスポーツ選手になりたい!」
と夢や希望だけを抱き続けるのは本当に危険。
当然、「プロサッカー選手」を目指すことは自由だが、普通に受験で高校・大学を目指す親子よりも、文武両道、スポーツと勉強両方の準備を整えておくことが
求められることを、事前に知っておく必要がある。
ちなみに、高校・大学時代の僕もプロスポーツが日本には無いのに学校の勉強を全部放棄してまるで職業のように夢中になってアメフトに取り組んでしまった。日本で年俸を目指せるプロのあるサッカーや野球の方々よりも最悪である。
かろうじてスポーツ推薦で大学入学・卒業できたので、そのまま上場企業に就職をする道を歩む形でなんとか「社会復帰」できたが。本当に危ないところだった・・・(汗)。
追伸
「0歳?18歳の子供の英才教育論」についてマスターヒロさんへの質問や感想はフォームから。